あの頃のように笑いあえたら

「はい、まだ続けています。」

「……そう、まだ続けているんだね」

まだ……。

私は川本さんが言った言葉で、自分がまだ、と言ったことに気づく。

「はい。いま辞めたいとは思ってないけど、ずっと続けたい、とも思ってません」

私が自分で自分の気持ちを導き出せるように、そっと寄り添ってくれる。

私は今、モデル『うる』としての気持ちを話す。

仕事は嫌ではないが、自分の居場所だとは思えないこと。

褒められても、素直に受け止められないこと。

そして……源のこと。

「源は、学校でも仕事場でも、同じように接してくれます。どちらの私も、愛㮈として」

「そう……愛㮈ちゃんは、それについてどう感じてますか?」

ゆっくり、優しく導いてくれる。

「私は、とても嬉しくて。それに気づいた時には、彼の前で泣いてしまって」

「そう、どちらの自分も同じように受け入れてもらえて、嬉しかったんだね」

「はい。」

そうなんだ。

私はとても嬉しかったんだ。