あの頃のように笑いあえたら

「さ、座って」

いつものように、座り心地のよいソファに深く腰掛ける。

「……愛㮈ちゃん、高校生になったんだよね?」

いつも私から話しやすいように語りかけてくれる。

「はい、今クラスの委員長やってます。もちろん立候補じゃないけど……」

「そう、委員長!」

嬉しそうな表情でうなづく川本さんに、私は今の高校生活のことを話した。

6人の仲間のこと、女子の2人にはパパのことを話せたこと。

そして、すんなりと受け入れてくれたこと。

川本さんは黙ってうなづいているだけだ。
だけど私は聞いてもらってる、受け止めてくれている、と感じられる。

「そうか。そんな仲間ができて、充実してる、て思ってるんだね」

優しい、深い笑顔で共感してくれる。

「はい……」

そう、今私は思っていた以上に高校生活を満喫できている。

「モデルのバイトは、続けてるのかな?」

川本さんは、ゆっくりと話す。

たぶん、言葉を選んでいるんだろう。