あの頃のように笑いあえたら

それから何度か仕事場で、源と一緒になった。

源は、学校にいる時と変わらずクールで無愛想だったが、若いのによく気がつく、となかなか評判はいいようだ。

私にも、他のモデルのコと同じように接してくれていたので、気づいてないんじゃないかな、と思う。

それでもやっぱり、複雑だ

隠し通す自信もないし、胸が痛む。

気づいてほしい、そう思う気持ちもあるけど、正直、源の反応が怖い。

教室の窓から外を眺め、またため息をつく。

「あ、委員さん達!ちょっと悪いけど、遠足の資料コピーしたから、まとめておいてもらえる?」

帰り際、先生に声をかけられた。

「あ、はーい」

今日はバイトも休みだし、いっか。

「あ、オレ部活、わりぃ!」
「私も、ごめん」

本格的に部活動が始まっていた。

「うん、これくらいなら一人でできるからいいよ」

そう言ってプリントの束を先生から受け取る。

ごめ〜ん、と言いながら部活へと向かうみんなを笑顔で見送る。