あの頃のように笑いあえたら

そこで目が覚めた。

ー ーふぅ

この夢を見た日は、身体が怠い。

疲れているから、この夢を見るのかもしれない。

昨日、あんなことがあったんだから無理もないんだけど。

ずっと源に気づかれまい、と気を張っていた。

こんなこと、ずっと続くのかな……。

ため息をつき、鏡に向かい茶色い縁の眼鏡を掛ける。

もちろん、ノーメイク。
おでこを出すスタイルが『いとな』だ。

いつも見る森の夢。

ー ーパパじゃない?

追いかけている相手はパパだと、ずっと思っていた。

だって、パパが死んでから見るようになった夢だから。

でも今日の夢の中で、もう少しで触れそうだった手は、パパの手じゃなかった。

もっともっと小さくて華奢な細い手だった……そう、子供の手のようだった。

ーー 誰?

パパの夢じゃ、ないの?