あの頃のように笑いあえたら

「あっちの方は明るいから、すぐにやみそうだね」

両隣りの2人は、私の指の向こうを見つめる。

「ああ、だな。」

雨足はまだ強いが、雷の音は少し遠くに聞こえるようになった。

思ったより冷静でいられる自分に驚いた。

源はいつから気づいていたのだろう。
なんで、私は今まで思い出せなかったのだろう。

「寒くないか?」

相変わらず源は私を気遣ってくれる。

「うん、ありがとう」

その気持ちは素直に嬉しかった。

真子や咲苗は、その優しさを私に向けられた気持ちだと言う。

源が、私を好きだと思う気持ち。

そうならば、どんなにいいか……この優しさに思い切り甘えられるなんて。

だけどこの優しさは、幼い私との思い出の延長なのではないか、と思ってしまう。

あの日、私が発作を起こしたことに責任を感じて。

本当はどっちでもいい。

優しい源が、そばにいてくれるなら。

ーーねぇ パパ

私は源の優しさに甘えてしまっていいのかな。