「あ、そういえば新しいバイトの男の子に会った?」

大森さんが、休憩中の私にお茶を出してくれながら聞いた。

大森さんの入れてくれるお茶は、いつも美味しくて癒される。

「え?まだ会ってないですよ」

「んー、そっかぁ。さっきまでそこにいたんだけどなぁ…紹介できてないの、あとうるちゃんだけみたい」

大袈裟に残念がっているように見える。

「あー、そうなんですか」

別に、どうでもいいんだけどな。

「うるちゃんと同じ高1だって言ってたよ〜!なんだかクールな感じのコ」

「へぇ、高校生?珍しい」

たいがい、フリーターの人が多いのに。

「ね、なんか松岡さんの知り合いらしいよ」

松岡さんは、専属のカメラマンだ。

「ふーん」

松岡さんがアシスタントなんて、初めてだな。
いつも、何でも1人でこなすイメージなのに。

「なんか、クールな感じがうるちゃんに似てるって」

「へ?なんですか、それ(笑)」

ほら、また。私はクールなんかじゃないのにな。

「彼、今日はもう帰ったみたいだから、また次回ね〜」

「はーい」

私に似ている男子、どんな子なんだろうな。