あの頃のように笑いあえたら

ーー 全てが繋がった。


あの長野のおばあちゃん家で、幼い頃に一緒に遊んだげん君は、源だ。

あの日、あの森で……。

今と同じように暗い空から雷が鳴り響いていた。
そんな中げん君は、私を導く手を差し伸べてくれた。

その手にすがろうと追いかける私、迫る稲光り。

私の手を捉え、少し息の荒くなった私を心配そうに見つめるげん君。
その表情は、今の源と同じだった。


『いとちゃん、だいじょうぶ?』


幼く可愛らしい源の声も思い出した。
今と同じ、柔らかな声。

発作で苦しい中でも不安がなかったのは、源と一緒だったから。

背中を撫でてくれる、小さな優しい手があったから。

同じ相手、同じシチュエーションが私の記憶を呼び起こしたのだ。

ーーああ、そうだったんだ。

私が雷が苦手なのも、私のおばあちゃん家が長野だということに反応した源も。

源が誰よりも、私の体を気遣ってくれるのも。

ーー 源が、げん君だったんだ。

そして源はきっと、そのことを知っている。