あの頃のように笑いあえたら

「なかなか繁盛してよかったな、焼き鳥」

静かな教室と、私の心に源の声が響く

「うん、そだね。みんな頑張ったもんね」

私の声も響く。源の心にも、響いているかな。

「しんどくなったら、すぐ言えよ」
「うん」

なんだろう、この安心感。

今は、源の好きな相手など気にせずにこの空気感に浸りたい。

何も話さなくても、全然苦じゃない。

「いとな、どっか見たかったんじゃないのか?」

「ううん。だいたい回ったし、私も賑やかなの苦手だし」

さりげなく、共通点アピールしてみる。
源はふっと笑い

「人混み、都会……苦手?」

「うん、苦手」

「だよな、分かる。オレも」

源に惹かれるのは、そんな共通点が多いから、なのかな。

ふと、源が目をやった先にサッカーボールがある。

「お、いいもんあるじゃん」

教卓を少し動かしてスペースを作り、リフティングを始めた源。

左右の足やももを使って、器用にボールを弾ませる。