あの頃のように笑いあえたら

ゆっくりと階段を登る源の背中について行く。

だんだんと遠くなる賑やかな声を聞きながら。

「大丈夫か?」

振り向いた源を、少し傾いてきた陽射しがスポットライトのように照らす。

ーードキッ

「うん、大丈夫」

いいよね……少しくらい甘えても
今この優しさは、私だけのもの。

ーー ガラッ

適当な教室のドアを開け、中へ入る。
誰もいないシンとした室内、いつもと違う掲示物、まるで異空間だった。

2人並んで椅子に座る。

「ほら、これ」

そう言って源は自分のカバンから上着を取り出して、渡す。

「え……?でも」

「オレは大丈夫だから、着とけ」

「うん、ありがと」

フワリと源の匂いのする上着をはおる。

胸が、トクンと鳴った。

暖かさと同時に優しさも伝わってくる。