その日の放課後、真ん中らへんの机にそれとなく集まり座る6人。

芳川くんは、相変わらず仏頂面で腕組みをしている。

なんだかなぁ。第一印象とこれだけ違うと、戸惑ってしまう。

「えっと。今日はみなさん立候補ありがとうございます、助かりました」

結局、話をするのは私。

「おーい、そんな堅苦しいのいいからさ、まず、名前!自己紹介〜!」

最初に立候補してくれた男子が、私の話しを遮る。

「あ、うんそうだね。私、雨宮 愛㮈、附属中出身です。よろしくお願いします」

やっぱりどうしても、堅くなってしまう。

最初からこんなんで、半年間やっていけるだろうか。

それとも、これを機に成長できるだろうか。

「じゃ、私。田所 咲苗(たどころ さなえ)部活は合唱部に入る予定です、よろしく。」

先生と目が合ってしまった彼女だ。

「合唱か、だから音楽委員!」

私が言うと、にこりと頬に浮かぶエクボが可愛らしい。

彼女の方が委員長向きなんじゃないかななんて思ってしまう。

「じゃ、オレ。中本 勝(なかもと すぐる)勝つ、と書いてすぐる。よろしくな」

体育委員に立候補してくれた彼だ。

大きな身体に似合う、体育会系らしい大きな声。