あの頃のように笑いあえたら

そりゃ、そうだよね。

「…いや、ほんとに…」
「え!愛㮈、モデルだったの?」

ー 声、大きいよ…

もちろん、悪気がないのは分かっている。
「…うん…」

教室中の目が、私を見ている気がする。

源はさっき英介と一緒に出て行ったはずだ。正直、こんな状況は見られたくない。

ー ドクドク

飛び出してきそうな心臓を、必死に押さえる。

「え?いつから?」

「中2の秋頃、かな」

大丈夫、素直な気持ちを話せばいいんだ。

「…そんな前から?え〜?なんで黙ってたの?」
「…ごめん、なんか恥ずかしくて…」

「恥ずかしい…?意味分かんない」

だよね…積極的な人には分かんないだろうな。

ああ、まただ。
こんな、ひねくれた気持ちになってしまう自分がイヤになる。