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姫を見送ろうと海辺に集まった人たちが、王妃と王の到着に気づいて頭を下げる。

皆、悲壮な面持ちをし、涙して王妃に抱かれた赤子を見た。


王と妃は娘に一度キスをして、申し訳程度の布の敷かれた木箱に寝かせる。

王妃の涙がぽつぽつと海辺の砂浜に落ちた。


日の出はもう30分後と言ったところだろうか。しばしの静けさが立ち込める。



名前をつけることさえ許されない。

法に抗えるはずもなく、時だけがそそくさと過ぎていく。