ラプラムルの姫が生きているかもしれない


そういう発想が頭に入ってきた途端、強い期待と、なんとも言えない気持ちが浮かんだ。

よくわからないけど、なぜかとても嬉しかった。姫や王様、お妃様にも希望のひかりがあるのだ、と。
ーーまるで自分のことのように。




ただ最近、妙な違和感を感じることが多い。

どこかから見られているような。

庭で花を手入れしていた時、暖かな春の日だったのに、突然木枯らしのように冷たい風が吹いたと思ったとたん、はっと気づくとまた暖かなそよ風に変わっていた、なんてこともあった。

また、近くのパン屋のおばさんのところへ行こうと思ってぼんやりしながら歩いていたら突然後ろから小さな男の子が駆け抜けていった事もあった。この島にはそんな子供はいない……はずなのに。

少し怖くなって、おばあさまに話した時も少し様子がおかしかった。

「おばあさま、最近この島に移ってきた人っているかしら。」

「いないはずよ。どうしたの。」

「最近なにかおかしいの。見られてる感じがしたり、この島の人はみんな知ってるはずなのにこの間なんて知らない子供を見たわ。」

「……そう。気のせい、よ。セゼリア。」

そこには明らかに何かを隠した気配があった。
ーーーー何か、起きてるんだ。

そう思わずにはいられなかった。