俊ちゃんもまだご飯食べてなかったのか。
手伝って貰っている手前、無下にできないお願いに重たい腰を上げる。
「ちょっと家戻りますね。」
加代さんと二人の看護師さんに声を掛けると、三人ともニヤニヤと顔を上げた。
「相変わらず仲良いわねー。」
「俊ちゃんにここの跡取りになって貰えばいいじゃない。」
口々に言われる聞き慣れた台詞。
「俊ちゃんだけは、無いですよ。」
そして言い慣れた台詞。
「どうしてー?いいじゃない、俊ちゃん。立派なお医者さんだし、イケメンで背が高くて。」
「今更俊ちゃんのことを男の人として見れないです。」
これは、特に言い慣れた台詞だ。

