5つ年上の俊ちゃんは、隣街にある大きな病院のお医者さま。


診療所の裏にある母屋のお隣さんで、幼い頃はよく遊んでもらっていた。


「俊ちゃんが来てくれて助かっちゃったわね。」


受付に戻ると、加代さんがお弁当を食べながら楽しそうに笑っていた。


「ほんとに。休診にすると色々大変ですもんね。」


予約数は少ないものの、当日キャンセルとなるとそれなりに苦情もあるわけで。

だからほんとに助かった。


心の中で俊ちゃんに感謝しつつ、私もお昼ご飯にしようとすると、


「かの、飯ー。」


診察室から聞こえる気だるい声。