これといった瞬間があったわけじゃない。それは積み重ねてきた時の流れ。 気づいてしまった。 それは、恋。というより、愛に近いなにか。 「俊ちゃんに触れられたとき、もっと触れて欲しいって、近づきたいと思った。」 「そんなの、普通の兄妹だったらやばいやつだぞ。」 「そうだね。」 顔を見合わせすと、吹き出した。 ありがとう、富澤君。 一人だと、素直になれなかった。ここからは、一人で頑張るからね。