smorking beauty

そんな日村に久々に飲もうと誘われて、楽しみにしていたのは確かだ。そして急の出張でキャンセルのラインを見たとき、綾香は思いのほかがっかりしている自分自身に戸惑っていた。

「高階さんからは誘ってもらえそうもないんで、俺なりのプランを立ててたんですけどね」

「それは普通に遠慮するでしょ、めちゃくちゃ忙しいって聞いてんのに。年末のときだって設計の飲み会に日村君、無理して来てくれたみたいだし。最近なんて飲みに行く暇ないらしいじゃない。うちの課の事務方の女の子たち、今年に入ってからは全然来てくれないって、悲しんでたけどね」

「忙しいのは高階さんも同じじゃないですか。結局、仕事がおしちゃって年末はドタキャンしましたよね。高階さんが俺に声かけたくせに」

日村は年末の飲み会を思い出したのか、口をへの字に曲げた。日村には「たまには顔出しなさいよ」なんて偉そうに言っておきながら、綾香自身が取引先の担当者に急なダメ出しをくらって欠席することになった飲み会だ。

あの飲み会で女の子達の甘い視線の誘惑をマトモに受けた日村は、綾香にはめられたと思ったようで非難の嵐のラインを送りつけてきた。綾香が女の子との橋渡しをするために声を掛けたと、日村が誤解したのだ。

「あのときは高階さんのせいで落ち込みましたけどね。でも今度こそと思ったら、出張は決まっちゃうし。本当に間が悪いったらないです、俺」