藍色の風月



?「ふふふ…ははははあっはははは」






明らかに正気を失った屋敷の主が不気味な笑い声をあげており、その手には眩い光を放つキャットアイが握られていた



?「ふふ…命知らずな奴だ…。全く…私からこれを奪おうとする輩がまさかこんな小娘とは…」



サイラスの目は焦点が合っておらず、頬は黒く痩けており、微かに暗い光をキャットアイが放ち始める



その光に反応し、ブローチがピカピカと輝き、モモが口を開いた




「早くその人からキャットアイを取り上げないと、その人の命が危ないわ!」

「私が光を強くするから、その隙にその人からキャットアイを…!!」



「わかった!!!やってみる!」


  

      「「「ピカ!!!!」」」



?「な………なにを……!く…苦しい…」



モモが光を強くしたのを見て、すぐにサイラスからキャットアイを取り上げ、その部屋の窓から飛び降りる




浮いて!!!!お願い!



藍が先程と同様に目を閉じて念じると、フワフワとゆっくり、庭に降り立った



「ふぅ~~~!!!なんとか盗めた!」



藍は取り上げたキャットアイを見つめながら、次の行動を聞く




「モモ!!やった…!私やったよ!次はどうしたらいいの???」



モモがそれに答える




「よくやったわ!!!さ、その宝石を掲げて、こう言うのよ!」

「粗悪なる邪水晶よ…!月の理によってその本体を清め、我にその身を捧げよ」



言われたとおりにすると、キャットアイから小さな黒い水晶のかけらが出てきたと思うと、月の光を浴びて黒から白く光を変えた



藍の手首にある、ブレスレットの中へと吸収されるように白く光る水晶が引き込まれて後片もなく消え去る



キャットアイは本来の輝きを取り戻し、エメラルドグリーンの綺麗な宝石に戻った



すると、近くにある木のうえから声が聞こえた




?「ふふ…あなた…なかなかやるじゃない…でも…次はそうはいかないわ…」




聞いたこともない声が急に降ってきことに驚きつつも藍は冷静を装いなんとか反論する




「あなたは一体誰なの…?もしかして、この事件に関係してるとか…????」



?「どうせ…後で分かることよ……ふふ…またきっと会うことになるわ…」



その言葉を最後に、気配が消え去って、それに変わってモモが焦ったように言う



「藍…!!そろそろ人が来るわ!その前にその水晶を返して、さっさとここを出るわよ…!!」



藍はそれを聞くと静かに頷き、キャットアイをその場所に置いてこの言葉を唱える





「フレガントレズエアンフィオナ-ゼ」



ー 第一ミッション完了 ー