藍色の風月



唐突にフワッとした不思議な感覚で驚いた藍は恐る恐る目をひらくと目の前に目的の窓が見えた




あれ…?もしかして本当に私浮いてる…??




下を見れば確かに自分の足が地についておらず、自分が浮いてるということにやっと気づく




「成功したわね!!さ!早く中入るわよ」




さも当たり前の様に飛んだことについて驚きもしないモモに疑問を感じながらも、窓を開けて入る




中に入ると、自然に星の本体が腰につけたかぎ爪めがけてシュルッと戻り、大きめの星が4分の1くらいになって腰で揺れていた




キーホルダーみたいに姿を変えた星を見て藍は目を見張ったが、すぐに気持ちを戻す。




目の前にひんやりとした長い廊下が続きコンタクトに移る足跡を避けながら走ると、らせん階段に出る





「藍!もうすぐだからって気を緩めないでおくのよ」




「ん!わかってる!!!」




先ほどと同様に星本体を手に持つと元の大きさに戻った。




なるほど…よくできてるわ………




感心しながらさきほどと同じように引っ掛けて
四階に一番近い階段へと、飛び移る




少しなれてきた藍は段々緊張がほどけていく




ホッとするのもつかの間、後ろから凄い勢いで階段を駆け上ってくる大きめの黒い足跡が映っていた




ヤバい!!!見つかったかな………!!




黒い足跡は紛れもなく最大のライバル郡武刑事のものである