天狗に愛されて



〈…ここか。〉


人間の住処にしては随分とデカい。


バチッ!


上空に張られた結界を突き破る。

人間達は慌ただしく騒いでいて、
オレには全く気付いていなかった。


小さな匂いだけを頼りに進む。


〈産まれた時から受ける仕打ち。
まぁ、人間らしいネ。〉


仮にも神の子をこんなボロ屋に放り込むとは。