天狗に愛されて



「あの娘を逃したか。
だが、それさえあればまだ間に合う。」


指を差すのは俺が持つ耳飾り。


「それを一度身に付けた者に死の呪いを。
本来は封印する筈だったが致し方ない。

また、次の転生で今度こそ!」


狂気に歪んだ目。


俺はコイツの思い通りに行動していたのか?
そして、譲葉を苦しめたのか。


バキッ!


「!?」


当主の手に渡る直前に耳飾りを踏み潰した。