天狗に愛されて



〈ここまで追い詰めたのはアンタらだヨ。
まぁ、これもご当主の思惑だろーネ。〉


チャリン!


足元に投げられたのは譲葉の誕生日に
渡した水晶のピアス。


〈渡したのはアンタだろ?
ご丁寧に追跡の術まで施して。〉


「違う…俺は、ただ言われた通りに……。」


あのピアスは当主から渡された。
「いらないなら誰かにあげなさい」と言われて。


〈全て行動を計算した上での計画さ。
流石は初代神木家当主サマ。

自分の子孫を手駒にする事に何も感じない。〉


「ちょっと、待て!」


初代神木家当主だと!?