天狗に愛されて



『来ないでッ!』


ねぇ、天狗。
本当はアンタも知ってたんじゃないの?


" ユズリハ様〜!"


" どうか生きる事を諦めないで下さい。"


小さい妖や水妖、それだけじゃない。
今まで出会った妖に向けられたのは好意。


それは、私が半妖だったからじゃないの?


" なきむしちゃんは普通の人間だよ。"


私の為に言ってたんでしょ…?


『天狗…嘘つきね……。』


〈………ッ!!〉


天狗に笑い掛け、泉に身を沈めた。