天狗に愛されて



冷たい氷の感触。


あぁ…戻って来たんだ。
元の時代に。


『母様…。』


その破片に映る姿は妖である私。


『私を愛してくれる人なんて
今も昔も…誰も居ないよ。』


「その通り。
お前を愛する者などこの世に居る筈がない。」


ガッ!


身体の自由が奪われ倒れる。


「哀れな娘よ…。」


この声…。


『お前…は……!』


どうして、アンタまでこの時代に…。