「破魔の矢よ。
射た者が正しければ当たれ、邪心なれば還れ。」


ヒュッ!


どこからか声が聞こえ、
彼女に放たれた矢が射った男の方へ。


「ご当主!!」


「良い。」


パンッ!!


矢は砕け散り、地面に落ちた。


「これは、どういう事だ。

神木家正統な血筋であるお前が
よもや妖を産んでいたと言うのか!?

弥勒(みろく)!!」


「…私は全ての妖が
邪な存在だと思っていません。

初めから貴方とは考えが違うのです。」


「母様…。」


これが全ての始まりだった。