「母様!母様ぁーーー!!!!」


『お願い!戻ってッ!!』


なんで、私はこんなに必死になってるの?

彼女には声も届かなくて、
姿も見えないって分かっているのに。


ビュッ!


「あ゙あああぁぁぁーーーー!!!!」


『これは、破魔矢!?』


飛んできた矢は彼女の肩に命中し、
浄化の痛みで顔が歪む。


「なんて事だ。
まさか、妖の子を孕(はら)んでいたとは……。」


弓を持った青年を見て、
その冷たい眼差しに背筋が凍った。