山口は、もう来ていた。すぐにわかった。 でも、まだセシルには気がついていないようだった。 ゆっくりと山口の座っているテーブル席に近づく。 「お待たせしました」 「やぁ、久しぶり。どうぞ」 山口に勧められ、向かいの席に座る。 山口はコーヒーを飲んでいた。セシルはアールグレイを注文。