セシルは電話を切ってから、自問自答してみた。 山口に逢えるのは、すごくうれしい。 でも、それが恋愛感情なのかと言われると、ちょっと違うような気がした。 ただ、しばらく忘れていたような、ときめきは確かに感じていた。 直子の言葉も意味深で、気にはなった。 でも、実際逢ってみないことには、何も確かめようがない。 何を着て行こうか、どんな話をしようか……。 気がつくとそんなことばかり考えている、セシルのそれからの数日は過ぎていった。