「じゃ、明日ね。ロビーにまた迎えに来るから」 山口が、さわやかに手を振った。 「はい。今日はありがとうございました」 「ごちそうさまでした」 セシルと直子は、軽くお辞儀しながら答えた。 「俺も楽しかったよ。ありがとう。おやすみ」 「おやすみなさい」 山口の車が見えなくなるまで、ふたりはホテルの前で見送った。