「ここで待ってて」 ケンサクは、牧瀬さんをリビングに待たせておいた。 みんながいる会議室のドアをノックする。 ちゃんと言われた通り。 問題ない。 「理貴、牧瀬さん来たよ」 全員がこっちを見る。 「じゃあ、こっちに呼んでくれる?」 理貴が言った。 「みんなで面接するの?」 悪いけど、すごい威圧感だ。 理貴と葵に並んで、じっぃっと見られたら、ケンサクだって逃げ出したい。 牧瀬さん嫌になるんじゃないかな。 「どうかしたの?」 葵が聞く。 「いいえ。なんでもない」 可哀想にと思う。