葵は、理貴の疑問に適切に答える。
「対策は、取ってあります。来月のフランスのファッション雑誌に制服の特集を組みます。
慈善団体にも成績優秀者には、制服の貸与をしてはどうかと提案中です」
「ファション雑誌って、葵ん所の出版社って、若者向きじゃないだろ?そんなとこに特集してどうするの?」理貴が思い出したように聞く。
「はい。もちろん考えてます。むしろ、アピール先は親世代です。うちの叔母が、娘とツーショットで特集したらいいって。もちろん、日本からもブログ、インターネットで特集します」
「うん…それは?効果あるのかな。どのくらい決まりそう?」
葵は、フッと笑って
「雑誌社も、慈善団体も身内みたいなものですから…」
葵の発言は冗談じゃなくて、葵のフランスにいる叔母さんは、ファッション界で有名な人だ。
一族で出版社も経営している。
因みに、葵は、見た目だけは、日本人形みたいに華奢に見える。
それが外見と違い、中身は、自由と合理的精神を持ったフランス人だ。


