「まだ、何か不安?あっ、危ない!!」 狭い道路を勢いよく車が通り過ぎた。 ケンサクは、伊都の体を抱き寄せて自分の胸の中におさめた。 自分の腕の中にいる伊都は、腕の中でじっとしている。 相手の鼓動が、自分の肌に伝わってくる。 ケンサクは、ぎゅっと伊都を抱きしめていた。 いつもこのくらい、僕に従順だといいのに。 「危なかった」 「うん…」 腕の中の伊都は、自分に抱かれていて、小さな小動物みたいだとケンサクは思った。 「ケンサクさん?」 「ああ、ごめん」 早く、腕を離さないと彼女が変に思う