そこで、一番ぼろが出やすい僕が標的になる。
漢字指定なんて、過去のテストで問題になったことは無かったのに。
ひらがなとカタカナならすぐに書けるようになった。
試験の内容自体は難しくないから、それほど問題視してなかった。
まさかその対策のために、伊都の助けを借りることになるとは。
ケンサクはポケットから、伊都にもらった地図を出す。
「手書きの地図とかありえないんだけど」
とりあえず、言われた住所に着たけど……
どれも同じような家が並んでいて、どの家だか、さっぱりわからない。
「これか?」
ケンサクは牧瀬と書かれた表札の前で立ち止まった。
表札の下に、呼び鈴らしいものが付いている。
「ここに人が住んでるのか」


