ハイスクール・カンパニー

学校へと向かう道を歩きながら、伊都は考えていた。

透に会わないかなという気持ちと、
彼に会ったら、突き付けられた、透の疑問を説明しなければならない。
どうしていいのか分からない。
それで、伊都は悩んでいた。


伊都の乗った電車がホームに着いた。
改札を出て学校に向かって歩いてくる集団の中に、透がいるのを見つけた。

女の子数人が、透を囲んで楽しそうにしゃべってる。

もし、自分がいなかったら、透はこんな風に過ごしてたんだ。
妙に説得力があると、伊都は感心してしまった。

透は、自分が居なくても透に変わりはない。自然に声が出ていた。

「楽しそう」