透と一緒に通ってた頃は、伊都の身だしなみがひどいといって彼が身なりを直してくれた。
そんなに、彼は自分のことを思ってくれてるのに。
いったい、自分は何してたんだろう。
その、透とは、ケンカしてから、全然話しもしてない。
「伊都?髪ちゃんと、とかして行ったら」
陸が伊都にそんなことを言うくらいになっていた。
陸は昨日のこと、怒ってるに違いない。なのに、陸は普段と変わらない。年子とはいえ弟のくせに精神的に大人なのだ。
陸は、自分と比べると複雑で、訳が分からない。
だから、結局、伊都から行動を起こす。


