ハイスクール・カンパニー



昨日から、目を閉じると、理貴の唇と触れた感覚がよみがえってきてしまう。

そして、もう一度して欲しいと思っている気持ちに気づいて呆然とする。


理貴は自分の彼氏でもなく、もう一度してなんていえる立場にない。


ただ、側で見ていられればいいと思っていたのに。

姿を見れば、見つめ合いたいし、触れたいと思う。



押さえきれるだろうか……
押さえなきゃ。会社にいられなくなる。

時間が経つにつれて、理貴に対する、こんな熱っぽい感情が、仕事にプラスになるとは思えなかった。


来栖さんが忠告してくれたように、理貴は本当なら、伊都の人生と交わることのないほど遠い存在なのだ。


理貴が、いつまで会社を続けるのか分からないが、いずれ自分は、理貴のそばにはいられなくなる。

そこを忘れてはいけないのだ。