2000人の人間が一斉にこっちを向く。 理貴は、大勢の視線を自分に引き付け、聞き取りやすい声でゆっくり話す。 「次期の生徒会役員を決める選挙が夏休み明け早々に行われます。 我が校は自薦、他薦関係なく、投票数の多い立候補者から、会長、副会長と選出されます。 来月より、選挙管理委員、並びに立候補者の受付を行います」 喋り終え、壇上を去る。 理貴は、こういうふうに、人の上に立つことは嫌いではない。