ハイスクール・カンパニー

「どれが、再生回数を稼げるかっだって、伊都ちゃんはどう思う?」
葵が撮りためた動画を見ながら、腕組みしている。

「私は、絶対に子供受けがいいのがいいです」

「じゃあ、いっそのこと、キャリーパミュパミュ!!伊都ちゃんダンスしながら料理しよっか!メイクしてあげんね!?」


「やめろ、ライセンス契約どうやって取るんだよ!!」とユウが叫ぶ。


伊都は、みんなが帰った後も一人で残って、レシピや動画の撮り方を考えていた。


「夢中になるのはいいが、もう遅い時間だ。帰ろう。送っていくから」
仲間に入れない理貴が苛ついてきた。


「もう少し…」伊都が頑張る。


「伊都、駄目だ」理貴も聞かない。


理貴が強引に腕を取って向き合わせる。

「伊都、送っていく」


「あっ、はい。わかりました」


「私、一人で帰れますから……」


「ダメ。こんな遅い時間なのに、伊都はタクシー使わないだろう?」


「はい。すみません」


「支度できてる?」


「はい」


「それから、しばらく、朝は来なくていいから」


「はい。わかりました」


「どうしてか気になる?」

「はい」
朝まで来るのは、うっとうしいかな。

それとも、いつも、働き過ぎだといつもいわれてるからかな。

「学校の生徒会の行事があって、しばらく学校へ行くから」

そう言えば、この人も高校生だったんだと伊都は思い出した。