「はい」
「だったら、いろいろやってみよう。音楽かけたり、特殊なメイクしたり。いろんなパターン作ってみればいいよ。どれかに食いつけばいいって考えれば」
「ありがとうございます。葵さん」
「この間のお礼よ。いろいろありがとう」
「そんな、お礼いわれるようなことしてません」
そこへ、理貴が葵に用事があって部屋に入ってきた。
「ねえ、理貴?伊都ちゃんの動画、フランスの男の子達にも、好評だったのよ。
その動画ゆずってくれって。
彼らからすると、ちっちゃくてお人形みたいで、可愛いって。今度連れて来いって、何人にも言われたよ」
「そうなんですか。注目されてよかったです」
伊都は、自分が勧めた制服が注目されて嬉かった。
「伊都は、連れて行かない。うちの正式なスタッフじゃないからな。それとも、もっと子供向けに作った方がいいんじゃないか。いっそのこと本当に子役のタレントを使うか」
理貴が不機嫌になった。
「ええっ?」伊都は驚いて理貴の顔色をうかがったけど、葵は笑いをかみ殺している。
「葵さん、そのくらいにしてくださいね」
ユウが真面目に答える。
「理貴、分かりやすっ。だだ漏れだね」
葵が理貴に聞こえないようにつぶやいたのを聞いたユウが、葵の方をにらんだ。


