「お弁当の作り方?」理貴が腕組みをして考えてる。
「次は、どうしてもお弁当を作る動画を撮りたいの」
珍しく伊都が言い張った。
「何で、お弁当なの?」
ケンサクが尋ねる。
「お弁当は、ただ楽しいという理由で作るだけじゃないから……」
「お弁当のレシピや作り方の動画何て、そこらじゅうに溢れてるぞ」理貴が最もなことをいう。
「私は、お弁当の動画を子供向けに作りたいんです。
親のいない子、両親共に働いていて、
ご飯を作れない子供たちに、安全で、
お母さんが作ったような、温かい料理ができるように」
理貴がすっと側に来て、目立たない様に伊都を軽く抱きしめた。
葵には、理貴が伊都の頭に軽くキスをしたように見えた。
「何、あれ?」
葵の言葉に気づいたユウが
「さあ」
と言って、腕を広げた。


