「動画、評判よかったよ。アニメのデザインより、実用的なデザインの方が、着やすいってコメントにみんなうなずいてた」葵がいった。
「それで?目標は達成できたのか?」
と理貴。
「もちろん、雑誌やマスコミに取り上げてもらって、他の慈善団体からも問い合わせが来て、割りと好意的に受け止めてもらえたから。結構人が集まったのよ。これから、成績優秀者は、制服を着るっていうイメージを作るのよ。また近いうちに現地に行くことになるわ」
「アレンからも連絡入ってるよ」と理貴。
「ユウと多樹さん来てくれたから、契約の時、心強かった」
葵は、ありがとうと言いながら二人の方を見る。
「おかげで、俺と多樹はえらい目にあったぞ。秋葉原にいたら、いきなりパリへ行けだもんな」
「大変だったのは、ユウがからかったからじゃないか」
「飛行機の持ち主が、アメリカ人のオタクで、日本のアニメの声優や、アニソンアーティストが店舗でイベントやってるっていうと、すごく悔しがって、日本では当たり前だけどってあおったら、日本に引き返すって言い出して」
「そいつ、僕のパパはアメリカ人、僕のママもアメリカ人、だが俺は日本人だ」ってずっと言ってたぞ。と多樹が付け足した。
俺は、ダキじゃねえ、と多樹は、しつこく言われた。
daki(※ダキとは。「抱き枕」のこと)やポスターを所持し、日本が楽園であるかのように賛美することだそうだ。


