理貴は壁の方を向いて、うずくまって横になっていた。

顔が下を向いているから見えないけど、苦しそうに見える。

「んっ……」理貴が寝返りをうった。

汗をかいている。

熱があるのかな?

考える前に手が出ていた。理貴の額に手を当てる。


熱い……やっぱり熱がある

何か冷やすもの、それから、薬……


「理貴さん、薬どこですか?」


伊都は、弟達にやるように、理貴の前髪をよけて自分の額を理貴の額につける。


「うわっ」


伊都は伸びてきた腕に引き寄せられ、理貴に抱きしめられていた。


伊都の目の前に、大アップになった理貴のきれいな顔があった。


理貴の唇が強く押し付けられ、伊都は息が止まりそうになった。


驚いてしびれたように、体が動かない。

伊都が、キスを逃れようと顔を背けても、理貴は伊都の頭をきっちり固定して、激しくなる理貴の要求を伊都は、そのまま受けとめるしかなかった。

「んんっ……」