バレンタイン当日
……ついにこの日が来た。
隣の席だし渡すタイミングなんていくらでもある。でもこれは本命だし 適当に渡したら義理だと思われるに違いない。
これまたベタだけれど放課後に呼び出そうかな。
悶々と考えているとあっという間に午後になった。
お弁当を食べ終えて 席に戻ると
君の机の横には大きな紙袋があって
チョコが沢山入っていた。
……もてるんだなぁ。
私のも、あと数時間後にはこの紙袋の中に入ってるのかぁ。
『佐々木』
いきなりの呼びかけにビクッとなる。
『……なに!?』
『チョコ一つやろうか?? 佐々木、一個ももらってないだろ?』
『友チョコいっぱいもらいましたー。』
『俺は本命いっぱいもらっちゃったー』
『はいはい。 てか質問があるんだけど。』
『なに?』
『全然知らない子からの本命チョコとかって嬉しいの?』
『そりゃー 嬉しいよ? 気持ちには答えられなくてもやっぱり嬉しいもんは嬉しい。』
『ふーん。』
『なに? 佐々木も本命チョコとかあげるの?』
『さぁ?』
『なんだよー教えろよー』
君は私から本命貰ったら 本当に嬉しい?
困らせるだけな気がするよ。
きっと、こんなたわいも無い会話ができるのもこれで最後かな。やっぱり告白したら どうしてもギクシャクしちゃうしね。
じーーんとなりながら 君との最後の友達の関係を楽しんだ。
