『N』ー忍びで候うー

お日さまの匂いなんて、あたしもよくわからないけど、洗いたてのシャツとか、ぱりぱりに乾いたタオルとか、干したての布団とか、そういうのがふっと浮かんだ。

あんな匂いだったような。。

毎日特訓してたから、山の匂いの印象が強いのかな?竹林の匂いってあんな感じだったかなぁ??
どれもちょっとずつ正解のような気もする。

竹林で逆光で見た一花の姿がきらきらと目の前に浮かんだ。


あー、だめだめ、集中しなきゃ!


きっと一花も「集中しろ」って言うに違いないよね。



くすっ。


また勝手に笑みがこぼれてしまうのだった。





「ね、今『くすっ』て笑ったよね?みた?」
ごくっとカフェオレを飲んだ。

「何か思い出し笑いみたいじゃない?
もしかして聞いちゃったのかなぁ?『おばあちゃま』から。一花がくちづけで解熱剤を飲ませたって。」
「それで笑うんですか?」
「んー、、ん〜〜、、いや、ない。それはない。」



今は黙々とノートに向かう七花に、残念ながら二人の声は聞こえていなかった。