カラン、コロン、大きな音を鳴らし郷太が飛び込んできた。

「七花、起きたって？」
「情報が早いですね。」

ぱちん、と六車にウィンクを向ける。

「あ、待ってください。彼女、また眠ってるから、今は眠らせてあげてください。」
奥の階段に向かおうとした郷太を留めた。

「そっか。まだ、良くないの？」
六車は手にしていたグラスを再び拭き始めた。
「疲れが溜まってたんでしょうね。
無理もないでしょう。」
グラスに六車の顔がいくつも映り込む。

「一花は、一緒じゃないんですか？」

「次郎と合流してる。何か動きがあるらしくて。しばらくあっちで忙しくなるみたい。」

「それは、、。

何か飲みますか？」

「んー、ありがと！
でも、僕も実はすぐ行かなきゃなんだよね。三田のところに。」

六車は頷いた。
「彼女が起きたら、連絡しますよ。」

郷太が大きな笑みを見せた。
「お願いね！」

カラン、コロン。。

郷太のように軽やかな音が響いた。