「お昼ご飯できたよ〜。」
鼻歌まじりに郷太がやってきた。
いつも軽快そうで楽しそうだ。


休憩??

「休憩にするか。」
「やったぁ、、」
七花はその場にへたりこんだ。

「ん?どしたの、七花。」

「なんで、、」

「ん?」
バテる七花に郷太が近寄った。

「何でこんな格好で特訓なの?、、はぁ、、」
「走り辛い?」
うんうん、と勢いよく頷く。

「街中でさ、七花はジャージでいるの?ダンスしてるとかなら話は別だけど。」
思い切り首を振る。
「でしょ。家政科だし、バイトはしてなくて家との往復、たまに女友達とお茶してウィンドウショッピング、だと、いつもの格好はこんな感じじゃない?」
パッと、広げた手のひらの先にあたしはいた。
「なんでそこまで、、」
聞くのも無駄だった。
「だから忍者なんだって。」
にこっと微笑まれる。

「普段の生活と同じ状況で訓練すること、それが大事だからだ。かと言って、街中で走り回ることはできないからな。さぁ。」
傍まで来ていた一花が手を伸ばし、七花の腕をぐいっとひいて立たせた。しゅるり、と腰紐も回収される。
「ぁ。僕が立たせてあげようと思ったのになー。」
「食事の後は護身術だ。」

軽い口笛を耳にしながら、ログハウスに向かう。
足裏はすっかり痛みが引いていた。
今は身体中が慣れない特訓であちこちが痛くなってきていた。
、、でも、頑張らなきゃ。

あたしは気持ちを振るい立たせた。