「もっと締めろ、脇が甘い、反対側が空いてるぞ。」
「はいっ。ん、んん〜、、っ」


「今日は何の練習?

わぁ、掴み合って。楽しそうだね。」

「護身用の柔術だ。」
二人は向かい合い、一花の胸元を七花が掴みかかっていた。
「んん、、っ」
ぎゅっと力を入れるも、一花はびくともしない。首まわりだけがシワが寄り、何度も引っ張った跡が見える。
「郷太、、」
七花がちらりと振り向いた。

左足は曲げたまま椅子に載せていた。
なるほど、痛みのある足をかばいつつの訓練だとわかった。