「え?泊まるの?ここに?パパやママには?あたし何にも、、」
「頭首が連絡すると言っていた。心配は無いだろう。」

「・・・」
固まってしまうあたし。。

「あー、家への連絡なら『おばあちゃまがしておいたから』って伝言あったんだった!僕がお店出てこっちに来るときに。」
湯気のあがるコップを3つ持って郷太くんが帰ってきていた。
「ごめんね、伝えるの忘れちゃってて。」へへ、と笑って見せる。

両手で顔を覆う。
「そうだった、そうだった、、、おばあちゃまってこうって決めたら周りが何と言っても進めちゃうところが・・」
言葉にならないうめき声が漏れる。

「ふっ・・」

?!

「今笑った?一花さ、じゃなくて一花、今笑ったよね?」

「まだ呼び方に慣れていないようだな。郷太の講義が必要か?」
「え?何なに~?僕が必要?」

「違う違うっ!」


無邪気な笑顔で寄ってくる郷太くんをガードしつつ、一花に助けを求める。
すごい、大型犬にじゃれつかれてるみたい!

「お前も頭首によく似ているんだろ?こうと決めたら突き進む?」
さらりと流し目がくる。
「期待している。」

どき、、、っ!


きゅーーーー。。。。ん。。

撃沈されたみたい。。。


大型犬に遊ばれつつ、ソファにノックアウトされてしまう。

「明日から、がんばります。。」

一花さんがほくそえんでいたことなんて、希代香には見えなかった。