一口すする。

ほわ、、っと冷たくなっていた体も気持ちも緩んでいくみたい。。
優しいなぁ。。目元がじわんとしてしまう。


「美味しい?」
隣に座った郷太くんも同じゆず茶を飲んでいるらしかった。
慌ててこくん、と頷くと「よかった。」と無邪気な笑顔がとってもかわいい。
ほんとに何歳なんだろう?弟みたいな笑顔と大人のような逞しい体格。

「郷太くん、って、、」
「ん?なに?」

「何歳なの?」

ふっと笑顔が広がる。この笑顔もずるい。女の直感だけど、なんかずるい気がした。

「いくつに見える?」
「・・よく言われない?何歳?って。」


「言われるよ。なんでみんなそんなこと聞くんだろうね。ね?」

いや、、年齢不詳だからでしょ、、とは言わずに、
「んー、、でも、何歳なの?」と聞いてみた。

「何歳かな~。」
にこっと微笑んでかわされてしまった。


「あたしより、、下なの?上なの?」

「ふふ、僕を「くん」って呼ぶってことは、年下だと思ってるんだよね?
どうかなー・・・ふふふ。」
小悪魔のような笑顔がまた妖しい!
軽く手のひらで転がされてるような気がして、あたしは飲みかけのゆず茶に戻ることにした。

「年齢はともかく、年上も下も関係ないよ、僕らには。僕のことも郷太ってそのまま呼んで。一花にも言われてない?、、でしょ?」
あたしが目を見開いたのでわかったみたいだった。
「あのさ、」急に郷太くんの顔が近くなった。
「素性を隠すための、目くらましの名前だからね。名前から年齢も上下関係も推測されないほうがいいんだよ。」

「ね?」離れた顔がにこっと微笑む。

こ、、こんなに近いのに、隣にいるのに、顔を寄せる意味あるのーー?!