「えー、、っと、


、、ここ、かな?、、純喫茶『N』、そうよね、ここ、よね。うん。。」


手にしたメモを広げる。

よく言えばレトロ感のある、ヨーロッパ風の外観の店の前で足を止めた。

古ぼけた感じのする、いや、味のあるというのか、くすんだ看板で店名を確認した。


「このNって、きっとおばあちゃまのことよね。『紀子(のりこ)』のエヌ。」

えー、、と、、中の様子は、、

曇りガラスになっていてよく見えない。

だけど「open」の文字もかかっているから営業してるみたい。



胸に手を置いて深呼吸。

ふぅぅー、、


入り口の、これまたレトロ感のある黒塗りの取っ手を内側へと押した。

からん、ころん。

乾いた音が大きく響いた。